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the spinner in dArkness  ワナビの徒然日記

電撃大賞「タタの魔法使い」をワナビが読む

ワナビが読むシリーズ。

いやワナビが読むんだけど自作のことはほっぽりだしてあくまで読者として感想を述べるシリーズですが!



さて、ネタバレレビュー見ちゃったので読む気無かった

「タタの魔法使い / うーぱー」

公式の講評見た感じ
「難点は確かにあるし減点方式なら受賞はしてない。でも面白いからお前大賞な!」
って感じらしいので興味出てきて読んでみることにした。

おっさんには若干買いづらいパンチラ表紙なのでKindle版待ってましたが本日より配信開始なので早速読みました。



最初に結論言っちゃうと、面白かったです。

あ、以下決定的なネタバレはしないけど、一応注意。




批判レビューを見た感想だとドキュメンタリー形式だけど主観部分の人物が上から目線で嫌い!
日本凄いの根拠何処!?
登場人物把握出来ない!
とか言う物でしたが、私はそんなに気にならなかった。
真面目な人が読むといちいち登場人物確認する為に読み返すのかもしれないけど
自分はメイン以外はうろ覚えのまま読み進めたけどなんとなく把握出来たのでそれでいいかなって。

日本凄いネタに違和感持つ人も多かったらしいけど日本の学校が異世界に転移したっていう設定をある種の
チートみたいな使い方してるってことだと捉えたので自分はそんなに気にならなかった。

まぁ確かに講評にもあるように減点方式ならいっぱい突っ込む部分はあるんだけど
そこの整合性をとって、全体的につまんないより良いと思うな。
あくまで全体として、物語としての評価しか私には出来ないし。
そういう意味では結構面白かったです(二度目

ただしかなり独特だから合わない人が合わないのは確かにその通りかなって。



あらすじ。

タタの魔法使いと名乗る謎の人物(?)が突然学校に出現して
「お前らは願いを卒業文集にかくよな?んじゃそれ叶えたる」
みたいに言って、学校に居た皆の願いを総合的に叶えた結果、学校が異世界に転移します。

その世界で異能に目覚めたり目覚めなかったりする生徒達約400人が頑張って日本に帰ろうとするお話。

矛盾点は先述の通りいっぱいあって、
・いじめっ子消えろ!
・学年一位になりたい
どちらを優先すべきか。タタにとって、消えたいじめっ子も「願いを叶えるべき対象」なのに他者の願いを叶えることで
存在を消される。その時点で願いを叶えて貰えない。これってちょっとタタいい加減じゃないのかなぁ?と。
ただ読めば解るけど、成る程いい加減な奴なんでそれでOKなのかな・・・笑

そして、願いを叶える法則性もイマイチよくわからない。願いを願った時点での祈りに左右されるみたいにあるけど
ならば学年一位になりたいと願った人は「頭が良くなりたい!」ではなく「私より成績良い奴消えちゃえ!」なのか。
それともこの人の時だけ猿の手みたいな叶え方しちゃったのか。ちょっと解らん。
でもちゃんと全部書いてないがゆえに、つじつまを合わせることは可能です。だってタタそんなキャラだもん。

これは物語の為の願いかなぁってものもちょこちょこあったんだけど
・ドイツ軍人になりたい:見た目までドイツ軍人化で吹いた。吹いたけど彼はすごい頑張ってたよ。
・犬:ペット物はやめろー泣いちゃうだろ・・・!
とか個人的に良かった。

その他いろいろ思うところはあって、何故かタタのいる山を目指すことになるんだけど
(集団が皆で目指そうとする説得力ある理由の説明あったかな?)
飛行能力とワープ能力とスープ能力があれば少数精鋭で先に進んで後から20回飯くって往復した方が良かったよね。
結構シンプルだし最初に思い付くんじゃないかなって。まぁそれは野暮というもの。そんなストーリーは面白くもなんともないし。
だったらワープ能力は無かった方が良かったんじゃないのかなとか思ったり。
あれってけが人回収する為の設定だったっけ?

ゴブリンに襲われたシーンだって、言葉通じないっていうけどゴブリン半殺しにして四肢もぎ取って
それを目の前で治療出来る子に治療させたりしたらゴブリンと交渉位出来たんじゃないのかなぁ。

・風呂
 仲間が死んでヤバイ状態で男の入ったお湯に入りたくないからって理由で風呂の湯張り直しとかせんだろ。
 ただきらきらネームが出てくる辺りある種の皮肉ネタなのかもしれん。

・地図
 そんな凄い品なんだったらスマホで撮影するだけで良かったんじゃ・・・。



あ、最初に気になった部分書いちゃったやね。
ここから面白かったというか興味深かったところ。

ドキュメンタリー形式なのでリアリティには結構気を配っていたようで小さな小ネタがちょこちょこ挿入される。
「異世界は重力とか軽めだし歩くのに負担がかからない」みたいな火星無双名作小説みたいな設定とかもちゃんとある。
400人が何十、何百キロ歩くってんだから気を使って設定を作ったんだと思うけどこういうとこきちんと設定入れたの嫌いじゃ無い。
いっぱい小ネタがあるからつまんないのとか、これいらないんじゃないみたいなのもあるけど作者さんが
パズル感覚でこういう設定の穴埋めしてたのかなって想像するとちょっと面白かった。自分もやるので。

その他小ネタシリーズで面白かったのは
・異世界地雷
→腐敗ガスを木の根に溜めて通りがかった生物を爆死させその死体から養分を得る

・ゴブリン
→危険生物は牙を失ったら死んじゃうのでちょっとヤバそうならすぐ逃げる。でもゴブリンは居住区を守る為に
 必死こいて戦うから粘着質でめんどい。

生き物飼育者としてはこういう面白ファンタジー生態大好きなんだが!
野生動物は基本すぐ逃げるっていうのも以前何かで目にしていたし(熊だっけ)こういうネタの使い方好きです。

・名前そっくりキャラ
 なんでこんなの出したんだと思ってたけど最後の最後でさらっと回収される。
 この使い方面白い。

・かつらで暖まる
 突然笑わせてくるの止めろ(笑

・美術講師による生物の特徴から危険予知
 こういう細かい設定が上手いなぁ。

・タタという存在
 同じ「タタ」であって文脈とかで意味が違うっていうのも凄くあり得そうで成る程なーって。
 余談だが同じ音を繰り返した名称を神格化している世界らしいのでうちの猫「トト」さんも神の使いなんや・・・(違




以上メモ取ってた部分の感想でした。箇条書き風で読みづらいならすまんですたい。

以下全体的な話。


先の通りドキュメンタリー形式ゆえに淡々としすぎて山場もあっさり終わる。
正直前半~中盤ちょっとダレるけど後半は結構面白く読めた。ただそれでも数行で決着してあっさり。
その点はちょっと不満なんだけど、ドキュメンタリー形式だとこれ以上は難しいのも解る。しゃーない。

タタの処理とか、帰る方法とかも興味深かった。こういう設定の使い方好き。
帰る方法がアレってことは別行動したやつらはつまり全員悲惨な事になってるんでしょうけど
そういう描写が無いゆえに残虐シーンを妄想させる部分とか結構良い。

タタの目論見自体は「えー、またそのネタ」って感じではあった。
ただまぁ生き物なんてそんなもんですよね。

そして、姉。
結構ヤバいネタを「内緒だから」って聞き出しておいてそれを皆に配るとかこいつどっかおかしいんじゃないのか!
いや物語の構成上仕方ないとは思うしそこ気にするとこじゃないとは思うけど。
あくまで「ドキュメンタリー形式で物語を構築した」のであって、そこ整合性取る必要はまぁないかな。
所謂「パルメザンチーズ」がパルミジャーノレッジャーノじゃねえだろ!とかいうツッコミみたいな。



で。

お話としては確かに酷い事件にあったけど皆前向きに頑張っているというのが
読後感良くて良い。

ただーし!一人どうしても「こいつのトラウマやべー」ってキャラがいるんだけど
その子の扱いどうなってるんだろう。
特に何もなさそうにハッピーエンドなのは・・・
この人だけ帰還後大量殺人鬼とかになってもおかしくないんじゃないのかと思う。

っていうかぶっちゃけるとこの子は仲間内で殺される(ある種のラスボス)だと思ってたので


んで定型文みたいに終わろうとした最後のページですごいのぶっ込まれるわけです。
「ん!?」って。

残念ながら私はここをネタバレされちゃってたので「一人だけ名前がアレで出てるあいつだな」って序盤から読んでたけど
ネタバレ見てなかったら「は?」って読み返してたはず。
ネタバレ死すべし慈悲は無い。


以上です。

とりあえず私は言いたい。
これが大賞なのって「ただそれ」みたいに編集部は冒険したんだとは思う。
体力ある超大手新人賞なんだからそれは個人的には拍手したい。

ただね、それよりも一番はこれを通した一次の下読みさんだよ。すごい。
よくぞこういうの通したなぁって。


おしまい。


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